YouTubeとゲーム理論

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YouTubeがGoogleに買収されてから、その周辺が騒がしい。ワーナー、ユニバーサルなどの大手のコンテンツホルダーたちがYouTubeと提携するという話もあれば、ニューズコープやNBCが訴訟を準備しているという話もある。

こうしたコンテンツホルダーたちの動きは、ゲーム理論でいうところのスタグハントであると考えると分かりやすい。つまり、コンテンツホルダーたちが協力してYouTubeを生き残らせることができれば、YouTubeが新たなプロモーションの場となることは間違いない。その一方で、他のコンテンツホルダーによる訴訟リスクが絶えず存在する。どこかが頑張ればYouTubeを潰すことだって不可能というわけではないだろう。そのとき、YouTubeへの協力は無駄となり、YouTubeへ提供したコンテンツはまるで無駄になってしまう。

ここで、コンテンツホルダーたちとYouTubeが協調して新たなマーケットを得る利得を仮に2としよう。YouTubeと敵対して既存のマーケットで得られる利得を守るならば、現在と同じ利得、つまり1が得られる。最悪なのは、自分はYouTubeに肩入れをしたのに、他の横槍によってYouTubeが潰れてしまう可能性だ。この場合は、提供したコンテンツから得られたはずの利得すらも得ることはできない(利得は0)。

以上をまとめると、次のような表になる。

 協調敵対
協調2,20,1
敵対1,01,1

この表をみると、ふたつの均衡があることに気付く。協調-協調というシナリオのときの均衡と、敵対-敵対というシナリオのときの均衡だ。協調-協調であれば、コンテンツホルダーたちは最大利得を得ることができるが、裏切りを考えるとリスクの高い選択となる。反対に、敵対-敵対という均衡は低リスクであるものの、成長という視点からみると懸命な選択ではない。

成長か、停滞か。YouTubeが投げかけた問題は、コンテンツホルダーがいかに著作権侵害から自社の利益を守るのかという問題だけではない。

コメント(2)

米3大メジャーレコードレーベルが、YouTube株売却により60億円を所得!|映画プロデュース会社:取締役の妄想日記
http://ameblo.jp/hkunimitsu/entry-10018621648.html

米3大レコードレーベル、YouTubeに出資していた。
http://suadd.com/blog/2006/10/3youtube.html

結局はマネーゲームなのかなぁと。賢く立ち回った者が利益を得ると。
当たり前か...

takai :

おそらく協調ってことで落ち着くんじゃないかな。

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著者について

高井直人
高井 直人
takai@recompile.net

ソフトウェアエンジニア。1977年横浜生まれ。大学在学中からネットワークや情報技術にたずさわる。Web制作会社などを経て、現在はシステムインテグレータに勤務。エンタープライズRubyをテーマに社内標準の策定などに従事している。

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