ブルース・テイト『JavaからRuby――マネージャのための実践移行ガイド』が、今週末の4月21日に発売されます。翻訳レビューをした関係で、私は一足お先にご献本いただきました。角谷さん、ありがとうございます。
さて、この書籍についてなんですが、まず強調しておかなきゃってことが一つあります。それは、この本が『JavaからRubyへ』という刺激的なタイトルを持つ反面、とても「保守的な」本であるという点です。この本は、著者がRubyへの熱い思いを吐露する信仰告白の書ってわけでは、全然ないのです。サブタイトルに「マネージャのための実践移行ガイド」とついているように、開発に責任を持つ立場からJavaとRubyの双方をリスクとベネフィットをはかる目方にかけてみましょうという、実にプラグマティックな本なのです。
ですから、JavaとRubyの技術的な詳細の比較というのは取り上げられていません。JavaとRubyとのガベージコレクションやスレッドの実装を比較したりだとか、そういうのは一切なしです。プログラムコードはほとんどでてこないかわりに、パワーポイントでみかけるような印象的な図版が豊富に登場します。そんなわけで、この本は、ソフトウェア技術者がターゲットというわけではなくて、ネクタイをしめた奴らに向けたメッセージの本なのです。
では、この本はソフトウェア技術者にとって、まったく役に立たない本なのでしょうか。いや、まったくそんなことはない、と断言できます。ソフトウェア技術者向けの本でないからこそ、現場でコードを書くみなさんに読んでいただきたいのです。
というのも、普通のソフトウェア技術者であれば、Rubyの「良さ」というものに確信を持っています。だけど、その「良さ」を非技術者向けの言葉に翻訳して、彼らが心配しそうなところに答えられるようにするというのは、骨の折れる作業です。この本で、ブルース・テイトが一流のテクニックをもって、その仕事を肩代りしてくれます。これこそが、この本の一番の魅力です。
今週末には、みなさんお気に入りのカフェでリラックスしながら、この本を楽しんでください。そして、ぜひ自分たちが感じている「良さ」というのは、こういう風に言語化してあげて、マネージャたちに吹き込んでいけばいいんだなとブルース・テイトのテクニックを盗んでみてください。
そうそう、この本についてですが、随分と好評なため、配本分だけで在庫がなくなってしまったそうです。ですから、今週末くらいに入手しそこねると、ちょっとの間だけ手に入りづらくなってしまうかもしれません。気になっている方は、ご購入をお早めにどうぞ。
JavaからRubyへ ―マネージャのための実践移行ガイド
Bruce A. Tate 角谷 信太郎 
オライリー・ジャパン 2007-04-24
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