オライリー・ジャパン『マイクロサービスアーキテクチャ』書評

オライリー・ジャパン様から『マイクロサービスアーキテクチャ』をいただきました。出版記念イベント のお手伝いをさせていただいてる関係です。ありがとうございます。

本書はマイクロサービスにかかわる幅広い領域を扱っています。マイクロサービスの概念に始まり、アーキテクトとして検討すべき項目は何か、サービスの粒度をどのように決定するべきか、どのようにサービスをインテグレーションするのか、どのようにモノリスを分割していくのか、デプロイをどうすべきなのか、テスト戦略をどう考えればよいのか、監視やセキュリティをどうするのか、開発組織をどう構築するのか、大規模な環境での注意点は何か、などなど内容は多岐に渡ります。

それぞれの項目ついて詳しく解説しているというよりも、それがマイクロサービスというコンテキストに置いたときにどのように考えるべきなのか、ということが触れられています。個々の要素についてより深く知りたい場合は、参考文献として挙げられている書籍などにあたることになるでしょう。

マイクロサービスについて、何か特別なソリューションがあって、それを導入することで実現できるとか、具体的な実装方法が理解できるとか、そういった淡い期待を持っている方には少し期待外れになるかもしれません。

マイクロサービスはひとつのソリューションというよりも、たくさんのシステムで採用されているアーキテクチャ上のベストプラクティスに名前をつけたものです。だからこそ、現在のWebアプリケーション開発のベストプラクティスが集まっているという見方もできます。

ソフトウェアアーキテクトの方々には、お勧めできる内容となっておりますので、ぜひ皆さまご購入ください。