評判がよいので手にとってみた。9月末に発売されたばかりだというのに、手元の本は既に4刷というのだから、いかにこの本が売れているかが分かる。

本書は、前半が古典的なニューラルネットワークの解説となっていて、後半が畳み込みニューラルネットワークなどディープラーニングの解説になっている。丁寧に説明されているので、CourseraのMachine Learning コースをやった人であれば、問題なく理解できる内容だとおもう。

5章では誤差逆伝播法について、計算グラフを用いて説明している。Andrew Ng先生ですら、（リップサービスだとはおもうけれど）誤差逆伝播法については

And even today I still don’t sometimes feel like I have a very good sense of just what it’s doing, or intuition about what back propagation is doing.（今でもときどき、誤差逆伝播法が何をしているのか直感的に分かっていないなあと感じるときがあります）

とおっしゃっているところで、当然のことながら私くらいだと「計算は実装したけれど、いまいち理解しきれていない」と感じていたところであった。本書の計算グラフによる説明では、傾斜が伝わっていくということが、すっきりと理解できたので、この章だけでも本書を読む価値があったと感じたくらいだった。

また、畳み込みニューラルネットワークについても、いままで色々な解説を読んでも分かったような分からないようなという曖昧なイメージしかもてなかった。そこから本書を読むことで、どのような計算が行なわれていて、それがどういう意味を持っているのかというところまでは、大まかに理解することができた。

『ゼロから作るDeep Learning』は、最新の内容が平易に解説されていて、ディープラーニングのきちんとした理解を助けてくれる。実装をしながら理解をしていくスタイルなので、エンジニアにとっては最高に分かりやすい。超おすすめ。